Updated: 2006.Jul.26 (02:43:30 JST). - Total Access: 5669.
= Shin MICHIMUKO's Philosophy =

How to implement an intelligence?

 人類は、賢いコンピュータを作る必要に迫られています。私も人類の一員であ る以上、賢いコンピュータを作るのに役立ちたいと考えています。

 賢いコンピュータを作るための研究は、人工知能研究として知られています。 不幸なことに、1980年代中期のブームが去って以来、人工知能研究には、なかな か私企業では予算が降りていない様な気がします。以前は人工知能研究と一括り にされていたテーマが、個別のテーマに分割されて来たとも言えます。

 現実問題としては、私個人は人工知能研究である程度の短期間で利益を出せる 研究が出来る自信がなかったため、本業は人工知能研究からは程遠い、プログラ ミングを行なっています。

 しかし、依然として、人類の課題として賢いコンピュータの実現が必要である という信念は変わっておりません。目覚しいと言われて久しいインターネットの 成長ですが、人類の子どもの5歳くらいまでの成長に比べて、それほど賢くなっ ているとは言えません。学習能力、外界の認識能力が、まったくコンピュータは 人間に劣っているのです。

 学習能力については、人間は外界からの入力情報を適切に分類し、関連づけ、 必要な場合には外界の入力に応じて反応を返すことが出来ます。コンピュータは、 基本的には決められた動きをするものであり、ニューラルネットなどを用いても、 なかなか人間らしい学習ができません。私は基本的に記号処理での研究を進める べきだと考えており、ニューラルネットはセンサとしての限定された用途にしか 使ないのが現状だと考えています。

 外界の認識能力は、人間の場合は五感(それらのセンサは五官)と言われるよ うに、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚を得ることが出来ます。これらを大雑把に 機械で置き換えることは、現在でも可能です。しかし、特に視覚は、単に映像の 入力ではなく、動くものだけ良く見えたり、Random Dot Stereogramのように、 雑然とした中から、あまり高度な知能がなくても形などを認識できる機能を備え ています。コンピュータは既に動画や音声を入力情報として与えることが出来ま すが、このような機能(センサのくせにある程度の情報処理をしている)は、ま だまだ、コンピュータには難しい処理です。聴覚にしても、まず耳が慣れて、言 葉が聞き取れるようになって、自在に受け答えが出来るようになってしまいます。

 このように、入力機能、および学習機能の両方がまだまだコンピュータと人間 では大きく違ってしまっています。この差を埋めていくことが私個人だけでなく、 人類のテーマです。

To make a first step.

 この様なコンピュータと人間の差を埋めるためには、全人類の協力と、コンピュー タ技術の結集が必要です。

 コンピュータ技術の結集のためには、コンピュータに関する技術が自由に流通 することが重要です。使えれば良いだけでなく、どうやってコンピュータを動か しているか、中の仕組みを皆がわかり合えることが必要です。そういう意味で、 ソースコードが公開されているソフトウェアの役割は重要です。幸い、多くのフ リーソフトウェアでソースコードが公開されています。GNUやLinuxをはじめとし て、その活動は徐々に浸透してきています。先人たちの多くの努力によって、日 常的に使われるこれらの仕組みが、公開され、改良されていっています。この活 動はぜひ応援していきたいものです。

 また、人類の協力という意味では、インターネットを用いて、ある程度自由に 情報が流通している状況も、どんどん進めなければなりません。インターネット の現状では、まだ動画などが自由には扱えないため、リアルタイムのコミュニケー ションには難があり、国際学会などに出かけなければ、必要な情報が得られない 場合もあるでしょうけれども、それらも徐々に解決していかねばなりません。そ れらの解決が、賢いコンピュータを実現するための助けにもなるのです。

 現在、このような目的に使用可能なソフトウェアのプラットフォームとしては Linuxが最も適当だと、私は考えています。これまで人類が蓄積してきた膨大な UNIXのノウハウがそのまま利用でき、その主要な部分はソースコードを入手して 検証することが出来ます。より多くの人の協力を得るために、より安価で、より 簡単に使用できるソフトウェが望ましいことは言うまでもなく、現在はLinuxが 最も適切だということが出来ます。

 Linuxの環境をより良く整備し、皆がどんどん賢いコンピュータ作りに協力し て取り組むことを、私は望んでいます。そのための第一歩として、 www.peanuts.gr.jp を提供し、Linuxユーザに利便性を提供し、フィードバック を加速したいと考えています。

 ここ数年来、差し当たっての課題には、

全文検索機能
いくつかのフリーソフトウェアで検索機能だけは実現されています。 しかし、PDFや各種文書ファイルの検索や、より細かな検索機能がまだ まだ課題です。
セキュリティ機能
オンラインで有料の情報をやりとりする際や、身を守る際に必要に なることがあります。我々はGNU generationですが、自由のために、あ る程度のコストや防衛力も必要になることがあると考えています。
ストリーミング機能(マルチキャストを含む)
自由にリアルタイム情報をやりとりできれば、人類の協力がより密 接に行なわれることになります。多くの人が視聴できるプログラムであ れば、マルチキャストを使うなどして、帯域を圧縮をしたりして、リア ルタイム情報をより自由に扱えるようにしていかねばなりません。
などがありました。これら3つの課題は、それぞれの一部の機能が実現できても、 それで全てが達成されたことにはならず、より高機能なものが常に求められてい ます。「賢いコンピュータ」のためには、単なる部品としてしか使われないかも 知れませんが、人類の協力を得ていくためには、これらの技術が常に最高の水準 で提供され続けなければなりません。この3つの課題については、特に重点的に 紹介していくつもりです。

 Linuxの発展が、「賢いコンピュータ」作りに貢献し、結果的により良い世界 を作ることができるように、ここに第一歩を踏み出します。応援してください。

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